通信制高校を見学して、息子も「ここなら卒業できそう」と希望を感じたみたい。でも、全日制を辞める踏ん切りがつかなくて……。
前回お話しした「突然の不登校」という衝撃。そこから立ち止まり、悩み抜いた末に、私たちは一つの「答え」を出しました。今回は、その決断に至るまでの舞台裏をお届けします。
理想と現実の狭間で揺れた1学期
3月に高3の新学期がスタートしたものの、登校が不安定になり、夏前には完全に足が止まってしまった息子。 「このままで出席日数が足りなくなる」という状況の中、高卒認定試験を調べたり、フリースクールや通信制高校を何校か見学したりする日々が始まりました。
そんな中、息子が自ら「ここなら卒業できるかも」と思える一校に出会いました。 通信制の先生からは「転学するなら、1ヶ月でも早く動いて単位を積み上げたほうがいい」と助言をいただき、息子も納得していたのですが——。
それでも、なかなか「決心」のハンコを押すことができません。 子供の世界において、これまでの「学校」が占める割合がいかに大きく、重いものだったのかを改めて痛感させられました。
「強制二者面談」と、先生の優しさ
そして迎えた1学期末の三者懇談。 私は職場から、息子は自宅から学校へ向かい、教室で合流する予定でした。しかし、約束の時間を過ぎても息子は現れず・・・・。既読にならないLINE、鳴り響くコール。
「ああ、これは来ないな」 悟った瞬間、三者懇談は私と先生による「強制二者面談」へと姿を変えました。
先生は、1学期の成績が出せないことや出席日数の厳しさを伝えようとされていましたが、私は思い切って切り出しました。 「現役での大学進学を希望しています。そのため、通信制高校への転学を考えています」
具体的な出口戦略を伝えたことで、面談は事務的な手続きの確認へと進みました。 そして帰り際、担任の先生が申し訳なさそうにこう仰ったのです。
「……あの、ロッカーに荷物が溜まってまして。夏休みまでに“半分でも”持ち帰ってもらえると……」
“半分でも”という言葉に込められた先生の配慮に胸が痛みつつ、私はロッカーの前に立ち尽くしました。
ロッカーに遺された、3年分の「混沌」
おもむろに開かれたロッカー。そこには高1の頃から堆積していたであろう、ぐちゃぐちゃのプリントやテキストが地層のように積み重なっていました。 先生が「明らかに不要なものは処分しておきますね」とざっと選別してくださる姿に、申し訳なさと感謝で言葉もありません。
結局、入り切らなかった上靴やシューズ類と共に、大量の荷物を抱えて帰宅しました。
「懇談にも来られないくらいなら、元通り通って卒業するのは難しくない?」 私の問いかけに、息子は静かに答えました。 「さすがにもう無理やな。通信制に転学するわ」
この瞬間、我が家の「カオス(混沌)」が、ようやく「コスモス(秩序)」に向かって動き出したのです。
真夏の自転車6キロ:手放したあとの「軽さ」
転学の意思を固めてからも、ロッカーに残った「残り半分」の荷物をどうするかが問題でした。 何度も本人に「最後のご挨拶に行っておいで」と伝えましたが、結局お盆前になっても動く気配はありません。
しびれを切らした私はお礼を兼ねて自転車で一人、学校へ向かいました。 息子とは現地集合の約束をしていましたが、「自転車の鍵がない」というお決まりの理由でやはり現れず。
真夏の猛暑。 スーパーの買い物かご大のエコバッグを前かごに乗せ、パンパンに膨らんだリュック背負い、自宅までの片道6キロを自転車で走ります。
高1・高2の担任だった先生が、荷物の量に驚きながら自転車置き場まで見送ってくださいました。 「自転車ですか!?大丈夫ですか!?」 「慣れているので大丈夫です!本当にお世話になりました!」
額を流れる汗と、身体にかかる負荷。 それなのに、不思議なことに心だけは驚くほど軽くなっていることに気づきました。
まとめ:進む道が見えるということ
「今日も学校へ行くのか、行かないのか」 毎朝、息子の様子を気にしながら職場へ向かう日々。その不安定な重圧から解放され、通信制高校への転学という「具体的な道」が見えただけで、これほどまでに視界が開けるのか。
息子もまた、卒業までの筋道が見えたことで、表情に落ち着きが戻ってきました。
家計管理や片付けは、不必要なものを手放すことから始まります。 私たち親子もまた、真夏の学校に置き去りにされていた大量の荷物を処分して、新しいステージへと漕ぎ出したのでした。
ここから、あの衝撃の「模試編(第3弾)」へと物語は加速していきます。🌸
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カオスでも、コスモスでも・・・今日を頑張るあなたに、お疲れ様を。


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